子どもたちの未来のためにどうすればいいのか、3部構成で書いてきた記事もついに最後です。
このまま何もしないと、地球の気温はどんどん上昇して人が住めなくなってしまうかもしれない。
そんなヤバい状態をどうにかするには、資本主義のシステムそのものを変えていかなければいけなそうだが、簡単なことじゃない。
そもそも、子育てだったり、仕事で忙しかったり、介護してたり「僕・私たちも精一杯なんだよ!」
そういう人がほとんどではないでしょうか?
ではあなたも私も、少しでも子どもたちの未来、地球の未来のために行動するために、どうしたらいいのか?
そのヒントを偉人たちの言葉、科学者の知識をお借りしてご紹介したいと思います。
誰かに、何かに貢献する前に、自分が満たされる必要がある
そもそも子どもや家族、地球などの未来のための行動は、自分以外への貢献ということになりますよね?
CO2を出さないようにするのは地球のため
のびのびできる環境を作るのは子どものため
歩けなくなった親を介護するのは親のため
もちろん、その結果自分のためにもなる、という考えもあります。
アドラー心理学で有名なアルフレッド・アドラーは、
「人間の幸せとは、貢献感である」
と言いました。
人や社会に貢献することこそ、人間にとっての幸せである。
しかし人間というものは、基本的に欲深い生き物。
ふと気づけば、自分の欲求を満足させるために生きている人がほとんどではないでしょうか?
マズローの欲求五段階説、という有名なものがあります。
自分以外への貢献、というのがどの辺に当たるかというと「自己実現の欲求」とか、その辺まで来ないと該当しないような気がします。
そこに行き着くまでは、衣食住が十分に確保されていたり、健康であったり、例えば仕事があったり、そういった人間にとっての当たり前の欲求が満たされていないといけない、そう言われると感覚的に「確かに」と思いませんか?
(実はマズローという人が”段階”を提唱したわけではないそうですが)
つまり何を言いたいかというと、
地球温暖化とか、子どもたちのためにとか言ってるけど、まずはあなた自身の最低限の欲求が満たされていないと、貢献なんて難しいよね!
そういうことです。
あなたが満たされるために必要な段階
あなた自身の最低限の欲求。マズローさんの欲求五段階説でも十分説明ができるかもしれませんが、近年は脳科学、神経科学という分野が進歩してきました。
感覚的にではなく、脳の機能的にも、満たされるための条件がわかりつつあるのです。
精神科医の樺沢紫苑さんの著書「精神科医が見つけた3つの幸福」によると、人間の脳には大きく分けると3つの幸福物質があるとされています。
それはセロトニン、オキシトシン、ドーパミン。
聞いたことがあるような、ないような。
言葉を覚える必要はないので、もう少しわかりやすく説明しようと思います。
樺沢紫苑 著「精神科医が見つけた3つの幸福」より筆者作成
樺沢さんによると、これら3つの幸福物質には段階があり、順番に満たすことで幸せになれるとのこと。
逆に満たす順番が逆だったり、どれかだけ満たしても、それは不幸になる可能性が高い。
これらの物質を説明すると、
セロトニン的幸福とは、健康の幸福。心と体の健康です。
オキシトシン的幸福とは、つながりと愛の幸福。友情、人間関係、コミュニティへの所属などの幸福です。
ドーパミン的幸福とは、お金、成功、達成、富、名誉、地位などの幸福です。
つまり、何はともあれセロトニン的幸福、心と体の健康が第一ということ。
それがあって初めて、自分以外への貢献というものがうまくできるはずです。
お金がいくらあっても、愛する人がいなかったり、病気であっては幸せにはなれない。
子どものために、家庭のことも仕事のこともがむしゃらに頑張った結果、体調を崩して入院してしまうと家族や子どもが悲しんでしまう。
そう考えると、私は感覚的にもこの3つの幸福はうなずけます。
それでは、今の身の回り、世界を見渡したときに、幸せの土台となる「心と体の健康」が満たせている人はどれだけいるのでしょうか?
現代は幸せの土台が崩れかけている人がたくさんいる
心と体の健康が満たせている人の数を探るのは難しいので、ここでは精神疾患(うつ病など)患者の推移を見てみます。
少し古い情報ですが、厚生労働省の調査によると、平成11年に204.1万人、
平成26年には392.4万人と、精神疾患患者の数は20年弱の間に倍近くになっているのです。
患者数は右肩上がりなので、おそらく現在の患者数は2倍を超えているでしょうし、病院に行っていないけど精神を病んでいる人はとんでもない数になることが予想されます。
この原因は様々ですが、私は「急激に進化するテクノロジーに、人間の進化が追いついていないため」だと思っています。
そもそも人間の脳は、1万年前から進化していないそうです。
これは、原始時代の暮らしの記憶が今でも残っている、と考えられるのです。
日の出と共に起き、狩りや採集をして食べ物を食べ、人間より大きな動物を狩ったり身を守るために集団で行動して、余った時間は踊ったり遊んだりする。そして日没と共に寝る。
これが人間の自然の姿だとしたら、現代はどうでしょうか?
電気やスマホ、パソコンの光は体内のリズムを狂わせ、
人工的なものや薬剤の混ざった食べ物を食べ、
独り身でも核家族でも”生きていくこと”ができ、
座り続け、
様々なストレスにさらされながら心や体を病んでいく。
長くなるのでご紹介だけにしますが、鈴木祐さんの著書「最高の体調」によると、やはり心と体を最高のコンディションにするには、原始の生活に近いことをするのが良いようです。
つまり、幸せの土台となる「セロトニン的幸福」のため、心と体を健康にするには”人間にとって自然に近い行動”をとることが良いと言えます。
例を挙げると、
・夕方以降はできるだけスマホを見ない(ブルーライトを避ける)
・砂糖や加工食品などはできるだけ避ける
・運動をする
・誰かと話をする(嫌いじゃない人と)
など、まあよく言われることをコツコツするということに限ります。
騙されたと思って1ヶ月、3ヶ月と続けていくと、いつのまにか心も体も軽くなっていく。
これは私の経験上でもその通りだと感じます。
土台を固め直したら少しずつ貢献の幅を広げていく
幸せの第一段階、心と体の健康という土台がしっかり固まってきたら、少しずつ貢献の範囲が広げられるはずです。
先ほどの幸せの第二段階で言うと、オキシトシン的幸福「つながりと愛の幸福」となります。
家族がいる人は家族みんなの健康を第一にして、そのあとたっぷりと家族交流するのがいいでしょう。
子どもにとっては、親と一緒に過ごす時間が何より大切。
親が仕事で外に出ているより、ただ近くにいるだけでも、子どもにとっては安心すると言われています。
かのマザーテレサはこう言っています。
「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。 誰からも自分は必要とされていないと感じることです」
ここに、子どもの未来を考えたときに何をするかの、1つの答えがあると私は思います。
あなたは必要な人間だよ。あなたの居場所はここだよ。
子どもがそう思うことが第一で、特別な学習は二の次なんだと。
マザーテレサが言うように、子どもに限ったことではありません。誰にとっても、人に必要とされること、自分の居場所を感じられることは、幸せの大事な要素です。
これらのことを、家族、友人、身の回りの人と一緒になって学んでいくこと。
これこそが幸せで、社会課題の1つである精神疾患を減らしていく、人間らしく戻っていく行動だと信じています。
まずはあなたが1歩ずつ進んで子どもたちに未来を残そう
なかなかお話が発散しましたが、ここまで読んでいただいた方には本当に感謝です。
発散したお話をまとめると、子どもの未来のために私たちがやることは、
1、まずはあなたの健康な心と体という土台を作る
2、子ども、家族、身の回りの人とのコミュニティを大切にする
3、持続的な地球にするために、温暖化や環境破壊の知識を学ぶ
4、学んだ知識を小さな1歩でも行動に移す
このようになります。1、2は両方とも大切で根本的なものなので、できる限り同時進行が望ましいです。
そうしてあなたの生活に幸せの基盤ができたなら、3、4で更に社会、地球への貢献を考えるべきだと私は思います。
そういった行動をしているうちに「もっと色々な社会課題を解決しなければ!」という考えになるかもしれません。
そうなったら、ボーダレスジャパンに想いをぶつけたり、社会起業家として起業したり、どんどん世界が広がっていくでしょう。
私はこの第一の土台「心と体の健康」を支えるために、新しいスポーツを創ろうとしています。その場が、多くの人にとっての居場所になり、心と体が満たされる。
そうして他者、社会へ貢献できる人になっていく。
そんなものを想い描いています。
最後に、ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
色々な著名人、書籍などの知識をぎゅっと詰め込んだので、少々間違っている点、わかりにくい点があるかもしれません。
その場合は、記事内でご紹介した書籍をぜひ手にとって、読んでみてください。
子どもたちのために、地球のために、1つずつ行動していきましょう。まずはあなた自身の心と体の健康から。