健康保険は大きく違う
サラリーマンにはブラックや社畜といった悪いイメージを持つ人もいるかもしれません。しかしサラリーマンであることで得られるメリットはたくさんあります。 まずサラリーマンは「協会けんぽ」または「組合健康保険」に加入できます。 独立してフリーとなる場合「国民健康保険(以下、国保)」に加入する必要があります。 サラリーマンの保険と国保の1番の違いは「扶養の扱い」です。 サラリーマンの場合、扶養家族の保険料は支払う必要がありません。 無料で保険に入れる、というイメージです。さらに、保険料の半額は会社が支払ってくれます。 国保には扶養の概念がありません。 そのため扶養家族が増えると保険料も上がります。 会社や家族構成、市区町村で保険料は変わります。そのため一概には言えませんが、扶養家族が多いほど、サラリーマンの方が保険料が安くなることが多いです。 脱サラする場合、退職後2年間は会社の保険の「任意継続制度」を利用できます(会社の保険が適用になって2ヶ月経っていれば)。 任意継続はサラリーマン時代とほぼ同じ条件の保険内容となります。 会社が負担してくれた半額分は自分で支払うことになるのですが、それでも扶養家族が多い場合は任意継続の方がメリットがある可能性が高いです。 私も退職後は任意継続保険を利用しました。 各保険料はネットで簡易的に計算できますので、1度計算してみることをオススメします。 サラリーマンの保険は「イージー給与計算」というサイトで計算できます。 「イージー給与計算」のサイトへ移動 国保の計算は「国民健康保険計算機」というサイトで簡単に計算することができます。 「国民健康保険計算機」のサイトへ移動 ちなみにサラリーマンの保険を「社会保険」と呼ぶ場合もありますが、実際は社会保障制度全体のことを表します。 そのため国保も社会保険の1つになりますが、一般的には社会保険=会社の保険 で通じる場合がほとんどです。 保険については公的保険について知っていますか?実は自分で保険に入らなくていいかも・・・の記事でも詳しく書いていますので、参考にしてください。年金はサラリーマンなら上乗せ分がある
年金は、20歳になったら誰もが加入する「国民年金」に加え、サラリーマンの場合は「厚生年金」「企業年金」があります。 下の図のように、いわゆる「2階建て」と呼ばれる構造です。出典:「いっしょに検証!公的年金」厚生労働省HP厚生年金の保険料は半分を会社が負担してくれるというメリットがあります。 企業年金は会社の福利厚生の1つです。 ただ最近では「確定拠出年金」が広がってきています。 確定拠出年金の掛け金は所得控除の対象となるので、節税効果があります。 サラリーマンの場合「企業型確定拠出年金」がある場合もあるのですが、掛け金は会社も負担するため節税効果としては比較的少ないです。 しかしながら年金も保険と同様、サラリーマンの場合は扶養家族分の年金を支払わなくて済みます。 保険で任意継続制度を利用しても、厚生年金は引き継げません。したがって退職後、年金だけは国民年金の手続きをしなければなりません。
税金の手続きは独立すると全て自分で行う
サラリーマンの場合、年末調整という形で会社が所得税の清算をしてくれます。 独立した場合、自分で確定申告して税金を清算する必要があります。 会社がやってくれていた年末調整を自分でやることになるのです。 所得税の確定申告は、国税庁のHPで案内に従いながら書類を作成することができます。 「国税庁ホームページ」へ移動雇用保険や労災保険に加入できるサラリーマン
サラリーマンは雇用保険と労災保険(労働者災害補償保険)に入ることができます。 雇用保険は、失業したときにお金がもらえる失業給付、育児休暇でお金がもらえる育児休業給付金があります。 労災保険は、仕事中や通勤途中のケガや病気、死亡に対してお金が支給されます。保険料は全額会社負担です。 そのほかにも、会社によっては出産お祝い金が貰えるところもあります。 私の場合は数名の上司からも結構なお祝い金をいただいたので、助かりました。 脱サラして独立すると、これらの恩恵は受けられません。 保険は自分で入り、子供のお金も自分で用意しなければなりません。社会的信用は収入の多さではない?
独立してフリーになると社会的信用がありません。 フリー < 個人事業主 < 法人 という順序で信用が上がっていきます。 具体的に信用がなくて何が困るかというと、・クレジットカードの審査が厳しくなる
・ローンの審査が厳しくなる
・賃貸を借りるときにも審査が厳しくなる
といったデメリットがあります。
サラリーマンというだけで、社会から信用されます。
極端な話、フリーで年収1000万円稼ぐ人より、サラリーマンで年収400万の方が信頼があるのです。
それだけフリーは安定しないと考えられているのです。
脱サラで独立するなら、退職前にクレジットカードは作っておきたいですね。